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Madam.Kayoのひとり言


by madamkayo
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「CHIPSの思い出」 17/25

17. あるファンの巻・その2

こんな彼らに囲まれていれば当時の私は幸せであった。だから、当時お付き合いしていた彼氏ともお別れして、しばらくひとりでも大丈夫・・と思った。その時の彼氏様は私を大事にしてくれていたのであろう、車でお迎えに来てくれた時などは、ドアをホテルマンのように開けてくれ私がちゃんと座ったのを見届けてから閉めてくれた。きっと近所の家政婦達はまたしても「ひゃ~、ドアまで開けてもらってっ」とカーテンの陰で驚いていた事だろう。でも私としては「やぁ、かよちゃん」とおかず君のようにラフに迎えに来てもらった方が性に合っていた。私も食事の時などお澄まししてハンバーグをコキコキひとつづつ切るのにも疲れて来ていた。だから今度の自分の誕生日に何か大層な物をいただいてしまってはまたいけないと思い、そう決めたのである。
23歳になる前の6月の事だった。するとどこで聞いてきたのか、圭ジョンくんが何の前触れもなくまたしてもうちの薄暗い狭い玄関に飛んで来てくれた。「かよちゃん、また別れたって聞いたからさぁ!」誰か知らない友達とも一緒であった。どこかに行く時だったのかもしれない。大変申し訳なかったが、とってもとっても嬉しかった。素敵なお顔の眉間に皺が寄り、眉毛は8時20分を指していた。こんなに心配そうな顔をしてくれているのに困った。私はあいにく元気であった。それにどうしても圭ジョン君の顔が『しげちゃんのおじさん』とかぶる。「何だぁ!思ったより元気だなぁ?」と期待はずれのように言われてしまった。。。

当時、チップスの面々は仕事も忙しくなって来たのか、残暑お見舞いコンサートから1年経ち練習の回数も減って来ていた。でもこうやって大好きなメンバーの誰かが心配して飛んで来てくれれば充分私は幸せだった・・・・・・
・・・・・ったはずなのだか、舌の根も乾かないうちに新しい出逢いが始まってしまった。誕生日にいつものように遅刻ギリギリでタイムカードを押すと、タイムカードに「後でブースに来て下さい。安田」と小さなメモがクリップで止めてあった。私は、貧血の為スッチーも諦め、英語もペラペラの『ぺ』ぐらいしかいかなかった為、航空貨物関係の事務に付いていた。TACTと言うすこぶる広い運輸会社が集まっている場所のとある会社の2階で英文タイプをひたすら打っていた。D様は下のブースと言う所で待機して、フォークリフトを運転していた。「安田さんって、あのいつもヘルメットを目深にかぶった人?」とちょっと不思議だった。男性が30~50人に女性1人の割合だから黙っていたってみんな愛想良くしてくれた。その中でも一番無愛想であった。昼休みブースに行くとポンとプレゼントを渡された。「誕生日でしょ?」とそれだけ言ってブースに戻って行った。中にはブランコに乗ったブタさんの貯金箱が入っていた。レストランに行くと将来のD様はハンバーグを全部切って、ナイフをトンと置いてフォークだけでライスとかき込むようにバクバク食べた。それがしごく新鮮で「これだっ!」と思ってしまった。私は美味しそうにご飯を食べる方が好きであった。後で気が付いたが、ただのお行儀の悪い田舎者に過ぎなかった。今でも娘の部屋にその貯金箱が飾ってあるが「ママ、これで決めちゃったみたいよ」と娘に言ったら「私はそんな安い女じゃないわ」と言われてしまった。。。

「結婚式の2次会で圭三君達呼んだら?」と母に言われた事があった。「そうだね、きっと彼らだったらギター持って何か歌ってくれるかもね」と言ったが、トランクボーン事件があった事を言えなかった・・・。


圭ジョン君とは、昨年秋のキャンプの前夜にサシでお話しをする機会が出来た。今では彼は、ギターを忘れた登山家である。でも思い立ったらその場所にいないと気が済まない行動派である。山を見れば登りたくなってしまったのは彼の性格から言って当然と言えば当然かもしれない。
思えば当時は私にとってはちょっと恐い大将的存在であったから、そんなにお話が出来なかった。こんなに鼻水が出てきそうになる位お話ししたのは初めてかもしれなかった。寒いだろうと思って温かい肉まんを持って行くと「やぁ、ありがたいなぁ~!」とひとつめの感激のスイッチが入った。よく高校の激戦の購買でチョコパンを買っていたのを思い出し、たっぷりチョコがかけてあるパンを出し「こんなの好きだったでしょ!?明日朝に食べてね。ハイ、コーヒーも」と出したら「わぁ~!優しいなぁーー!!」と二つ目の感激のスイッチがいとも簡単に入った。この歳になると、彼のスイッチのタイミングが予測付くようになった。
いろんな話しをした。私は「そのルックスを鼻にかけているようなイヤな奴だったら付いて行かなかったけれども、圭三くんの周りは一樹くん始め誰かしらに囲まれていたでしょ。だから付いて行こうと思ったのヨ」と感謝の意を込めて当時の気持ちを伝えた。

そのキャンプの写真がこのHPでアップされたので、今年の正月実家に行った時、母に圭ジョン君を見せた。「あの圭三くん?ひゃ~と思ったのよぉ、玄関にいた時・・」と言った。200回目だ。
「あら~、圭三くんも歳を取るのねぇ・・」「私と同じ歳だもの、あたりまえよぉ!」ちょっとがっかりしたようである。「ほら草か・・」「草刈正雄でしょ」「しげちゃんのおじさんにも似てるよね」「あぁ、そうだねー!本当にいい顔だったよねぇ・・!」201回目で過去形になったようである。
by madamkayo | 2005-07-09 14:27 | CHIPSの思い出