人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Madam.Kayoのひとり言


by madamkayo
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

「CHIPSの思い出」 21/25

21. 残暑見舞いコンサート「SMILE AGAIN」

「CHIPSの思い出」 21/25_a0044166_14192459.jpgさぁ、今度は楽しい「リズム講座のお時間ですよぉ♪」とばかり、わが愛するシンセ『Poly six』のお披露目MCが始まった。
おかず君が「このシンセサイザーは、大変優れものでしてぇ・・・」とか何とか説明が始まった。は、恥ずかしい。客席には他のバンドの方々や、音楽にはかなり通なハリ村君のように隠れマルチがいるやもしれない。でも、そんな事は言っちゃあいられないのだ。なんせ、持ち曲は4曲だけなのだから。
「このシンセ、沢山いろいろボタンが付いているんですが、これで苦労して音作りをしまして・・」とか何とか言っている。うちの身内のマダムスファミリーだけは嬉しそうに聞いているようだ。「それでおのおののスイッチに音を入れて・・ちょっと音を試しにひとつづつ出して見て」「ブーブー、ファンファン、ビービー」「そう、そして演奏しながら即座に切り替えて、音を瞬時に変えていくわけです。さぁ、かよちゃんやってみて!」と来た。なんとなくこんな事はやるよ、とは言われていたものの「え~ちょっと、やだ~」と心の中で抵抗しながら、ドギマギと次の曲のバッキングの触りを弾いてみた。「おぉ~!」と佳隆くん達であろうか、しらじらしい驚いたような声援が聞こえる。とりあえず、少し時間稼ぎができたようでホッとした。MCはうちのメンバー達は思ったより上手であった。

さぁ、ではバッキングをお披露目した所で次の曲の「スマイル・アゲイン」が始まった。これは、4曲の中では一番と言っていいほど、それぞれみな難易度が高い。
圭ジョン君のグングンひっぱるメロディーに合わせて、おかず君がチョッパーベースのオンパレード、そしてこれぞカシオペアのリズムと言う細かい技の連続のいんご☆君のドラム、そして私も負けずに細かいバッキングが続く。

Poly 6は今度は、客席からは横を向いていて、私の前にはいんご君がいるような形だった。舞台にはツインにドラムがセッティングされていて、もう片方のドラムを隔ててだったが、この距離だったら、彼の正確なドラムのリズムがわかる。

私は、いんご☆君の正確なリズムに絶大なる信頼をしていた。CASIOPEAの神保彰のような十手観音いいや千手観音のような手と足の動きとそれに伴うリズムの技。3次元で物を考えられない私には、4つ同時にいろいろ叩くと言う事が信じられなかった。しかも、リズムの表と裏、裏の裏まで正確である。8分音符、16分音符、更に半分の32分音符のどこで割ってもくるいがない。これは、白地図の裏の裏山の塗らなくてもいいような桑畑まで、黄色やおうど色で律儀に全部塗り上げた彼なればこその隅々までの行き渡りである。また、高校時代、休み時間のたびに、私は仲が良かったのかと思っていたが、あの恐ろしい男子だけの教室の住人の圭ジョン君とおかず君の憂さ晴らしのような廊下でのリズム特訓。鞄持ちの下積み時代が、見事に開花した。

スマイル・アゲインのシンセのバッキングは細かい所まで譜面に書いてはなかった。だから、テープで擦り切れるほど何度も聞いて、師匠である向谷実の技を盗んだ。自慢のバッキングである。バッキングである伴奏は地味だが、さりげなく難しい事をやってキメれば、こんなにカッコ良い物はないと思っていた。

私は、いんご☆くんの正確なリズムを身体で感じながら、プロムラミングされたスイッチを瞬時に切り替えて、まるで『イモ欽トリオの山口君』のように、音を替えては戻してと繰り返した。いんご☆くんのバスドラが軸の表のリズムを教えてくれ、スネアが表裏のバッキングのリズムを支持し、ハイハットが一瞬何度もある裏で入るキメのタイミングを前もって知らせてくれる。

圭ジョンくんの「タッタラータ・タァ~♪」と野呂一生さんのようにのびのびと弾いているのが聴こえてくる。おかず君のチョッパーベースが、まるで桜井哲夫さんのように「ズンベ・ズンベ♪」とさえわたった。私も夢中になって、下をほとんど向いた状態で弾いた。
・・・・・「スマイル・アゲイン」の演奏は無事にすんだ。わが愛するPoly sixも忠実に音を出してくれた。


また曲の合間のMCが始まった。CASIOPEAのヒット曲で、信じられないようなギターの早弾きで始まる「ブラックジョーク」と言う知る人ぞ知る曲がある。その題名の「ブラック・ジョーク」になぞらえてのMC。圭ジョン君が与論島から帰って来て大ボケかましてくれた話しをしているようだ。何か冗談を言っては「ブラック・ジョークでした~♪」と言うのが、マイ・ブームのように私達の間の会話では当時流行りだった。それを引用したのだが、チラホラと笑い声も聞こえ思ったより受けたようだ。よかったよかった。

さっきまで緊張していた私にも、難しい曲「SMILE AGAIN」が終わりホッとしたのか、そのMCを聞きながら『笑顔が戻ってきた』。

さぁ、最後の曲、もう一度「ASAYAKE」だ。
by madamkayo | 2005-07-05 14:18 | CHIPSの思い出