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Madam.Kayoのひとり言


by madamkayo
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「CHIPSの思い出」 22/25

22. 残暑見舞いコンサート「ASAYAKE」

「CHIPSの思い出」 22/25_a0044166_14193299.jpgあんなに楽しみにしていた初めての出演コンサートの演奏する曲目も、もう最後残す所1曲になってしまった。持ち時間を持て余している感も最初はあったが、過ぎてしまえばあっと言う間に感じた。
私は女性であるから、今後ライブコンサートに出られたしてもあと1回か運が良くて2回が限度だろうと思っていた。
でも、予感が当たってしまった。私にとって事実上独身最初で最後の出演コンサートになってしまったのだから・・・


第二期Chipsの看板曲である「ASAYAKE」が、大将圭ジョン君のこのテーマのような「チャカチャカチャカッ・チャッチャッチャー」と言うギターで華やかに始まった。おかず君のベースと私のPoly sixの低い音で「ボ・ボーン」と前奏をにわかに始め、いんご☆君が元気よく「カンカンカン」とリズムを刻みタムタムから「コンココン・コンココンコン」と勢いを付けて入ってくる。

そして前奏の次にすぐに圭ジョン君のひっぱるメロディーが始まった。私も音をピアノ音に切り替えてバッキングに入る。この時だ!私はこの曲も2回目と言う事もあり、やっと周りを見る余裕が出来た。ASAYAKEは何度も彼らと畑コミで練習したから、特に伴奏はもうソラでも弾けた。でも、オープニングの時は全くそんな余裕がなかった。今度はバッキングを弾きながら、前方をチラっと見た。
まず、前方のいんご☆くんが目に入った。そう言えば畑コミではシンセはいつも窓の方を向いていたから、叩いている彼をちゃんと見た事がなかったかもしれない。いんご☆くんは、サラサラ髪をなびかせて、若さハジケルようにドラムを手足と全身を使ってエネルギッシュに叩いていた。「ヒョエ~、か・かっこいいっ!!」
前方左サイドのおかず君もチラッと見た。赤いツナギを来て、少し足を開き観客の方に向いてベースを弾いていた。「わぁ~、いつものおかず君じゃないみたい・・男っぽーい!」リズムを取りながら、時にチョッパーベースも力強く交え、足踏みを入れたりして堂々としたものだ。
次にセンターの圭ジョン君をチラっと見た。彼のギターのメロディーが最初の盛り上がりに入って来て、独特のカッティングが始まった。彼はその時、紛れもないギタープレイヤーだった。弦をハジクようにして技を見せている。「ヒャ~、す・素敵だわぁー!」圭ジョン君のギタープレイに観客の女性人もうっとりしている感じである。

3人のChipsのメンバーがキラキラした音の中で、私には眩しいほど輝いて見えた。いつもオベンチャラばかり言う私だが、この瞬間をハッキリと覚えている。彼らを見たいけれども正視できない。私は確認する必要がないのに手元に目を落としては、彼らをチラチラ見ていた。演奏者でもあると同時に視聴者にもなっていた。それも、彼らのとびきりのファンとしての。
いつもの愉快な仲間達は実はアマチュアであるけれども立派なエンターテイナーだった。
『私はこんなに素晴らしい仲間とバンドをやっていたんだっ!』
さっきまでの緊張の鼓動とは違うドキドキ感が新たに私を襲ってきた。

そうこうしているうちに、メロディーラインがキーボードに移った。「タラ・タ・ラータ~」と大きめの音で弾く。するとメンバーの3人がバシっとバッキングを合わせてくる。何とも言えない幸せな瞬間だった。「音を合わせるって素晴らしい!」。。。

短い私のソロが終わり、また圭ジョン君にメロディーを返す。ここまで来ると、この曲が後半に来た事を表す。私はちょっと濁ったような音に切り替えてバッキングに務める。大将がひとつづつ階段を登るように音階を押し上げて行く。私も一段づつ大切に弾きながら一緒に登って行く。おかず君といんご☆くんにも力が入って来て、うっすら汗も光ってきた。
頂上に近づいてきてギターのトレモロが始まった。『もう終わりですよぉ』と告げているようだ。
「あぁ、もうASAYAKEが終わってしまう。こんなに楽しみにしていたコンサートも。そして私の青春も!。。。」

そう、私はこの曲と供に私の遅咲きの短かった青春も終わってしまうような気がした。

「どうか、もっとこの曲を弾かせて。そして、どうか、まだこの大好きなメンバー達と一緒にいさせて!」と思いながら弾いた。

いやおうにもエンディングが近づいてきた。Poly sixの厚い音を渾身の力をこめて弾き、自らもフィナーレを高らかに鳴らす。熱い思いを指に込める。
『さようなら、残暑見舞いコンサート。さようなら、私の青春』
「・・・ジャジャジャジャジャジャ・ジャンジャンジャンッ!!!」

・・・・・終わった。終わってしまった。。。。。。

すると、客席から拍手と声援が聞こえた。「ありがとう、素晴らしい仲間達!そして温かい同級生と家族達!」

「そして、ありがとう!こんな私に、短かったけれども、キラっと光った青春をプレゼントしてくれた、素晴らしいChipsのメンバー達!!」

「一樹くん、圭三くん、そして印南くん、あなた達は、私の『生涯の心の恋人』です!!!」
by madamkayo | 2005-07-04 14:18 | CHIPSの思い出